壊れた焼却炉のサイクロンの補修
1.破損した部位の現物を3Dスキャン
老朽化したサイクロンと同じものを作りたいというご要望をいただきました。そこで、詳しく寸法を測定するために取り外してもらったのですが、腐食が進んでいたこともあり、取り外す過程で枝管が折れてしまうという想定外の事態が生じました。



3Dスキャンの特長は、現物をありのままにデータ化できることです。ハンディタイプのポータブル3Dスキャナで、サイクロン本体と折れてしまった枝管をそれぞれ丸ごとぐるりとスキャンしました。
また、再制作したサイクロンは既存のフレームに据え付けますので、フレームの方も3Dデータ化しておくことにしました。こちらは高さ10mを超えるサイズなので、三脚タイプの長距離用3Dスキャナを使用して地上から既設のまま3Dスキャンを行っています。
2.3D CADデータの作成

取り込んだスキャンデータを元に、リバースエンジニアリングソフトウェアと3D CADを駆使して3Dモデリングを行いました。




折れた枝管に関しては、長年培った製缶板金加工の知識に基づいた推測も含めながら、破損する前の形状のデータを作成しています。
また、これらの製品3Dモデルと、スキャンしておいたフレームの3Dモデルを組み合わせて、据付のボルトの位置が合っているのか、干渉してしまう箇所がないか等のチェックを行いました。
3.実物を制作・復元
Dモデルを基に、板金展開(切断)データの作成、板の調達、曲げ、溶接を行ってサイクロンを再製作しました。なお、事前に3Dモデルで組立チェックをしておいたおかげで、フレームへの据付時にトラブルが発生することはありませんでした。

このように、アルモンサイゲンは、
①10mを超えるサイズでも現物をありのまま3Dデータ化可能
②破損した製品でも製缶板金の知識に基づいて3Dモデリングを実現可能
③実際の工事前に据付のシミュレーションが可能
という強みがあります。老朽化したプラント設備等を補修したいというお困りごとがありましたら是非お声がけください。